「狩野永琳展」休館特別公開④「徳チャンの画帳」

5月に入りました。青い空のもと錦川河畔をゆっくり歩くと、澄んだ水が輝いてきらきらしています。五月晴れの岩国です。

さて、第4回目の「狩野永琳展」休館特別公開は、永琳の絵に加えて娘に教えるためのお手本になった画帳をご覧いただきます。
その前に、まずは、永琳の作品からご覧ください

「雪渓山水」です。雪景色の表現に墨の濃淡とぼかしの筆使いが巧みです。

雪景山水

次は、おとぎ話の世界です。
「山々宝」は、「裏の畑でポチがなく・・大判小判がザックザック・・」
思わず口ずさんでしまいますが、なんとも楽しくなってくるのはなぜでしょうか

山々宝

「乞食」というタイトルがついています。
聖徳太子の御廟の近くに住んでいた永琳には、神仏に関係する絵を描く機会が沢山ありました。
「乞食」は「こつじき」と読み、仏教用語でいわゆる托鉢を意味するそうです。生業をして自活することを禁じられる僧侶の修行の一つで、生命維持のために食べ物などを分けてもらう行為です。その乞食の姿を描いています。

乞食

「徳チャン」と書かれたこの笹の絵は、娘へのお手本の一つです。お手本は画帳となって残されています。その画帳をご覧ください。

徳チャン

すずめ

のどかな光景です

リスと木の実

今にも飛び掛かりそうなカエルの姿。この後どうなったでしょうか、想像が膨らみます。
この後、虫が上手く身をかわしてカエルがあっけにとられる・・なんていうのはいかかでしょうか

虫を狙うカエル

ジッと見ていると、カタツムリがゆっくり動いているように見えますね

カタツムリ

弾んで歩く様子を表現しているのでしょうか

「石を叩けば羊になる」というタイトルの絵を、永琳はたくさん描きました。
これは中国の晋代の仙人・黄初平という人の話です。羊飼いをしていた初平は15歳の時に道士に気に入られて、金華山の石室に連れていかれました。40年後兄の初起が探し当てた時、初平は白い石を羊に変える術を持っていたのです。その後、兄も仙道を極め、2人とも不老不死の仙人になったということです。
この黄初平のことを絵にした画家は多く、雪舟、狩野元信、円山応挙、橋本関雪らがいるそうです。
不老不死は、紀元前の秦の始皇帝も求めたと言われていますので、人にとって永遠の願いなのでしょう
人生50年といわれていたの時からさほどの時間はかからないまま、人生100年といわれるようになってきました
さて、人の寿命はいくつまで伸びるのでしょうか・・

石を叩けば羊になる

永琳は周囲の人に、「あとを継ぐのは、この子しかいない・・」と話していたそうです。
徳ちゃんは、お手本を描いてもらうと、小さな手で筆を持ち、何度も何度も描きうつしました。
墨の磨り方、筆の持ち方、そして父の筆の動かし方をジッと見て、そして、真似た。
上手く描けると褒めてもらえる、
そして、また次のお手本が・・

いかがでしたか?このようなお手本がたくさん残されています。
もちろん、徳ちゃんは一生懸命に描きました。父の期待をいっぱいに浴びていたことでしょう。

次回もお楽しみに

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