酒造は米作りから「五橋」

今年イセヒカリの種もみから苗を作り、盆栽鉢で田植えをしてみました。夏の日差しがギラギラする暑い頃、水田になった盆栽鉢には雀が水浴びをしに来るようになっていました。一抹の不安がよぎりはしましたが、余りの暑さですからやさしい気持ちで見ておりました。

稲穂

さあ、稲穂が頭を垂れる頃になると、その雀は私の眼を盗んでは、米をついばむようになってしまい、とうとうネットで防御する羽目になりました。良い経験を楽しみました。

氷室山が見守る伊陸の田

さて、秋の収穫は、伊陸のトラタン村でも行われていました。10月20日は伊陸にある酒井酒造㈱自家精米所で、山田錦の等級検査が行われました。検査は東部産直センターが行います。その検査員として今年デビューしたのが、酒井酒造の杜氏と蔵人の3人です。山口県下初の蔵人検査員です。驚きの出来事です。

検査方法は、山田錦の心白が大きいことは酒造好適米としての大きな特徴ですが、実は、朝夕の寒暖差によって心白が小さかったり、またはない米粒もあるそうで、その比率で等級を決めることになっていると聞きました。

1等米

その際、米の水分量も図ります。15%以下が適当で、13%台になると少し乾きすぎといわれました。割れやすくなるようです。

米の水分15%以下 

1つの袋で2か所から米のサンプルを採取する検査員

米袋から米を採取

今年デビューの検査員の杜氏と蔵人らを見守る先輩検査員。

米の一粒一粒を丁寧に見て等級を決める真剣な様子に、誰もが息をひそめて静かに見つめていました。等級によって価格が決まるのですから、公正な検査が行われているのです。

等級には、特上・特・1等・2等・3等があるといい、今までに特上は一度見たことがあるかな、と聞きました。それほど朝夕の寒暖差に左右されるという事です。自然を相手にするという事は難しいことです。

米の中心部にある心白は、組織がまだらな部分で白く見えています。心白は吸水性に優れ、麹菌が生えやすく、糖化されやすく、さらに麹を作りやすいことから酒造に適しているという利点を持つそうです。しかし、心白部分は割れやすいため、酒造で溶けやすく、水を汲む作業や醪の管理の調整をする注意点もありますが、心白が大きい山田錦が酒造好適米の代表のように言われる理由はここにあるのです。

特上

米には中心部にデンプンが多く含まれ、その外側に蛋白質成分をもつため、精米技術の高い精米機で周囲を削り落とすことが出来るようになってからは、でんぷん質を多く含むところだけで醸した吟醸酒ができるようになってきました。

良い酒造りに欠かせない米、農家と酒造蔵との信頼関係が深いことが、蔵人検査員を生みだしました。酒井酒造㈱は今年創業150年となりました。平成8年(1998)トラタン村の農家さんから酒米つくりをしたいとお話を頂き、伊陸の米つくりに取り組んできました。すでに23年にもなります。平成27年(2015)には、酒米はもちろん、飯米も作る農業法人・五橋農纏(ごきょうのうてん)も運営しています。

「米・水・人」3拍子揃った蔵元「五橋」は、人を大切にこれからも励みます。

 

 

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