わくわく発見隊!「五橋文庫の篆刻体験」と「雲渓窯の多田焼体験」
新型コロナウイルス感染防止の為、この春から自粛をしてきました。大人も子供もがまん・がまんの毎日でした。
こんな時期だからこそ、まずは子どもが元気になれば大人も元気を出せる!
ウイルスとの戦いに心が折れないために、自分たちができることから挑戦しようと思います。
そこで、岩国市はよく頑張ってがまんできた小学生に、風光明媚な
錦帯橋周辺でいろんな体験をしてもらおうと企画しました。
わくわく発見隊
その1つに、篆刻体験と多田焼の体験を一度にできる企画・インテリジェンスコースがあります。
篆刻体験は、篆書体で石に名前や言葉を彫る文化です。彫った印は書画などに押印して芸術作品をつくったりするものとして知られていますが、その他にもいろいろなものに登場しているのをご存知でしょうか?
篆刻体験
お茶の世界では楽焼の茶碗には「楽」という印が押されていますが、一子相伝の代々の当主にはそれぞれその当主しか使えない印があります。その印を観て何代目かがわかるのです。なんでも鑑定団などでもいつの時代のモノかを判断するときに、大きな証拠になっているのでご存知の方も多いことでしょう。
岩国多田の印
これは江戸時代後期に作られたと思われる器の印です。「岩國多田」と読めます。本来多田焼は献上品をつくる窯ですので、一般に出回ることもなくこのような印も押されていなかったようですが、後期になるとやきものも盛んになり、岩国でも庶民の為にもいろいろな窯元で器が作られていたようです。
今回の企画は、岩国藩の御用窯・多田焼の田村雲渓氏の指導でお茶碗をつくり、自分で彫った印を押すという特別企画の篆刻体験です。
篆刻も錦帯橋ゆかりの独立禅師が「日本篆刻の祖」といわれ、岩国の歴史に大きな影響を与えていることから、その歴史や文化に親しむために五橋文庫は篆刻体験をしています。
今回はその応用編としてやきものに押すための印つくりを、小学生に体験してもらおうと岩国市が企画しました。
土をこねて、形をつくる陶芸体験と、自分で石に名前を彫る篆刻体験は、どちらも創作意欲をかりたて、子どもたちをのびのびさせることとなると思います。
やきものは粘土を焼いて仕上げますので、手作りするときの柔らかい状態の粘土が高温で焼くことで、粘土にもよりますが1~2割チジミます。そのため紙に押す印よりも少し太く、深く彫り込まなければなりません。焼き上がって自分の器を手にした時にその変化を実感できる今回の企画は、子どもたちにとってはきっと大きな発見につながると信じています。
雲渓窯の多田焼