五橋文庫で篆刻体験
朝から曇り空、雨が降ると天気予報のお知らせにホッとしています。このところ夏のような暑さで乾ききったお庭も水を欲しがっていましたから。
さて、27日には広島工業大学高校2年4組の皆さんが、五橋文庫で篆刻体験をされることになりました。岩国で篆刻をする?なんで?と多くの方は不思議に思われるのですが、実は・・
1673年に錦帯橋を創建した第3代領主吉川広嘉(きっかわひろよし)は、独立性易禅師(どくりゅうしょうえきぜんし)を医師として岩国に4回招きました。独立は中国明から長崎に渡来し、黄檗宗の隠元禅師のもとで禅の世界に入った人ですが、明で儒学、書、篆刻を能くし、医師として有能でした。初めて岩国に来たとき、住んでいた杭州にある西湖の本「西湖遊覧志」を広嘉に見せてくれました。その本を見たことがヒントになり、錦帯橋のデザインが出来上がったのです。
独立が「錦帯橋ゆかりの」と言われるのは、この「西湖遊覧志」のことがあるからなのです。
そして、独立は当時の明でおこなわれていた書法や篆刻(てんこく)のことも話したり、書いたりして教えてくれています。長崎では高玄岱(こうげんたい)という弟子を残し、「日本篆刻の祖」と言われています。
錦帯橋ゆかりの独立が「日本篆刻の祖」であり、独立の印や書画が吉川家に残され、吉川史料館や岩国徴古館に引き継がれています。そのような歴史背景のある岩国だからこそ、篆刻を楽しむ体験教室があるのです。篆刻は、文字を篆書体で石に彫るから篆刻と言います。五橋文庫では、館内の展示物を観ながら印を彫るという体験を企画しています。 続きはまた後日に 館長