岩国からパリへ翔んだ画家・桑重儀一

岩国市川下村出身の桑重儀一という画家のことを、この春に五橋文庫で企画します。

東京美術学校卒業後、アメリカのカリフォルニア大学に留学し、その後、パリで学んだ画家・桑重儀一は自由学園で講師をし、太平洋美術学校で教授として活躍した人です。その絵画は西洋画を好まれる人たちから高く評価されていたようですが、東京での生活が長く生家のある岩国ではあまり知られていないことが残念なことです。世界大戦の時代に生きた芸術家たちの活動には、さまざまな障害があったようです。島崎藤村の書いた「エトランゼ」という本の中に登場する桑重儀一や山本鼎、そして今話題の藤田嗣治の様子に、第一次世界大戦のはじまるパリの様子もうかがえます。明治から昭和にかけて芸術を志す人たちの多くが欧米に学びを求めて行き、今の時代の土台を作っていたことかと推測します。

今回は、現在桑重儀一の生家に残る作品を展示し、パリや東京での姿を紹介できたらと準備しています。桜の便りを聞くころから開催は、五橋文庫で初めて企画する西洋画展です。所蔵する文房四宝や陶磁器とともにお楽しみください。  館長

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