「狩野永琳の世界」特別公開⑧ 「多田焼の絵付け」

多田焼の絵付け

5月25日から開館しましたので休館中特別公開ではありませんが、この状況でなかなか出かけられない皆様にご案内します。

江戸初期に開窯された岩国藩の御用窯であった多田焼が、江戸末期に途絶えていました。昭和の時代にその歴史を再び復興させたいと思った初代田村雲渓は、古文書を基に土や釉薬の研究をしながら作陶してきました。そして出会った狩野永琳に絵付けをしてもらった時期があります。

今回は、2つの作品のご紹介をします。

1つ目の壺は、2代目田村雲渓所蔵のもので、永琳が栗を描いています。

栗の絵付けの壺

永琳の名前

2つめの皿は、永琳お得意の龍の絵です。初代雲渓が親しくしていたM氏の所蔵で、今回の展示会のお知らせが新聞に出ましたら、ぜひ皆様にご披露したいと持ってきてくださいました。

永琳は辰年生まれで、好んで龍を描いていたそうです。

龍の絵皿

どちらも筆がよく動いているのを感じますので、きっと永琳は楽しんで書かれたのではないかと思います。

この多田焼とのご縁が、今回の展示会の企画になりました。当時の岩国には沢山の方たちが永琳の絵を楽しんでいたようです。

今回の展示は、8月25日まで延長致します。新型コロナウイルスへの感染予防をしながらの開館です。皆様のご協力を頂きながら観覧をしていただけるように準備いたしますので、どうぞよろしくお願い致します。

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