献上品を作った御用窯
五橋文庫は、明日から展示替えのため休館いたします。
「岩国藩の御用窯 多田焼」というタイトルで、数少ない多田焼の茶碗などを展示いたしますので、ご期待ください。
そもそも岩国藩が藩営の窯を作ることになったのには、理由がありました。
毛利元就には、隆元、元春、隆景の3人の息子がいました。後に3人は毛利、吉川、小早川と3家に分かれ、山陽山陰から豊前、伊予まで120万石の領地を広げた戦国武将です。皆様よく御存じの「3本の矢」の教えは元就から3人の息子への教えでした。毛利家を中心に力を合わせて、中国地方を治めていたのです。
その吉川元春の3男広家が吉川を継ぎ、岩国初代藩主となりました。しかし、関ヶ原の戦いの後、毛利家からその家格昇格を認めらない岩国は、毛利家の陪臣として、領主として、岩国を治めていくことになりました。
その間に訳あって生まれた多田焼のことを、歴史的な史実をもとに、実直で律儀な気質の岩国の侍たちのご紹介とともに展示をしたいと思います。 館長