桃源郷はどこ?
今回の展示も、いよいよ25日までになりました。
「 酒器をたのしむ ~関雪の桃源郷~ 」のメインになるこの絵には、漁夫が夢の国から帰るところが描かれています。
再び訪れることを願って、山肌に目印をつけながら帰る様子です。
後日、漁夫はこの目印をたどりながら桃源郷に向かうのですが、行けども行けども、とうとうたどり着けなかったのです。
西洋のユートピアと違い、東洋の桃源郷は思想的なものであり、確固たる場所ではないというのです。
人は心の持ちようで桃源郷が見えるのでしょうか。案外足元にある幸せな環境を見落としているのかもしれません。
五橋文庫で美術品に囲まれて過ごす毎日に、感謝する思いです。
次回の展示は、「 岩国藩の御用窯 多田焼 」です。多田焼をつくるきっかけなどのことにも触れながら、皆様に岩国で生まれた「多田焼」のご紹介できればと思います。 館長