「吉川家の御庭焼と篆刻体験」に五橋文庫協賛
「吉川家の御庭焼と篆刻体験」の講師として、3月~11月までの毎月第4土曜に 吉川史料館・みみずく亭に出張することになりました。詳しくは吉川史料館にお問い合わせください(℡0827-41-1010)
岩国藩のお庭焼は、徳川将軍への献上品「多田焼」をつくる窯として、江戸時代に京焼をルーツにした茶陶を吉川家の家臣たちが造っていました。岩国藩は京焼のやきもの師を岩国に呼び、足軽たちは習いながら窯を造り、京焼にできる粘土をさがし、釉薬の調合をして献上品の作陶に励んでいました。
多田焼花入(江戸期)
その歴史と文化を大事に思った初代田村雲渓は、昭和の時代にその多田焼の手法を岩国藩の古文書に学び、復興を目指し雲渓山窯を開窯しました。2代目雲渓は父の後を継ぎ茶陶造りに精を出しています。岩国の歴史と文化を取り上げる五橋文庫は、2018年7月に「岩国藩の御用窯 多田焼」の企画展示をしました。江戸時代の多田焼は献上品であるがゆえに岩国にはほとんど残っていません。わずかな多田焼と2代目田村雲渓氏の作品とを展示してその歴史を紐解く内容でしたが、御観覧いただいた吉川家32代吉川重幹氏から「復興多田焼」としての認定を2代目田村雲渓が頂きました。
この春から吉川史料館内でその復興多田焼の陶芸体験が「お庭焼ワークショップ」として始まりました。手びねりの茶碗に吉川家の家紋である「輪九曜紋」と、作者の名前を自身で彫った篆刻印を貼り付けます。出来上がった茶碗は登り窯で焼き、後日届けられます。
篆刻印は、錦帯橋創建の3代吉川広嘉が長崎から呼んだ医師の独立禅師が「日本篆刻の祖」と言われることから、岩国のワークショップとして五橋文庫で行っている篆刻体験で作るものです。
吉川家のお庭焼(多田焼)も独立禅師の篆刻体験も、どちらも岩国の歴史と文化を基にし、岩国藩のあった城下で行うワークショップ(体験教室)です。
吉川史料館は吉川家の隠居所「昌明館」跡にありますので、今も江戸時代の風情が漂う場所です。お城を見上げるお庭で頂くお抹茶は2代目雲渓作の復興多田焼の茶碗です。石に篆書体を刻み、粘土に触れて遊び楽しむひとときを、ご家族やお友達とお過ごしいただけると思います。
お庭焼茶碗(見本)