「狩野永琳展」を休館特別公開します①
世界中が新型コロナウイルスの猛威に襲われています。ここ岩国市にも陽性感染者が出ました。
一日も早いご回復をお祈りいたします。
これ以上の拡散を防ぐために、一昨日より岩国市も対策に動き始めました。突然でしたが五橋文庫も併せて5月10日まで休館させていただきますこととしましたので、観覧のご予定を立てておられた方々にはご了承いただきたく思います。
展示の企画をしました時より、ゴールデンウイークも休まずに開館して多くの皆様に観覧いただけるようにと準備してまいりましたが、このような状況ではとても難しくなりました。そこで、素人写真でご満足いただけないことではありますが、このブログにて特別公開をいたしますので、ひとまずご覧くださいませ。
第1回は、五橋文庫の1階展示室にあります3点の絵です。
まず、ポスターにしました「慈母観音像」です。
「慈母観音像」
この慈母観音は、下関出身の狩野派の絵師・狩野芳崖の展示会が行われた時、永琳のところにファン方が来られ、「この絵のような観音様を描いて欲しい」と芳崖の「悲母観音」の写真を持って依頼されたそうです。
永琳は何年もの時間をかけて描きました。依頼主の希望に合わせて、構図も良く似せて描かれていますが、やはり永琳らしさが出たのでしょう、「永琳拝写」と筆を入れ、「慈母観音像」と題しています。
永琳の人柄を感じるところだと思います。
永琳拝写一緒に置いた古備前の壺や徳利は桃山時代の名品です。
2点目の「竜頭観音像」は、「慈母観音像」を描き上げた後に描いています。竜の頭に観音様が立っています。永琳は辰年生まれで、龍の絵を描くのが得意だったと聞きました。優しいお顔の観音様を載せた竜の顔も、堂々と穏やかに見えます。
「竜頭観音像」
13代坂田泥華の萩茶碗は、小林雲道人が茶碗の側面に「閑止」と刻して13代襲名を祝ったものです。狩野永琳も13世を襲名して活躍しました。
坂田泥華萩茶碗「閑止」
3点目は、「扇面山水画」です。扇に描かれていたもので、墨の濃淡を巧みに使い、筆の動きを感じさせる絵です。
「扇面山水画」
このお軸の下には、米色青磁茶碗と珠光青磁茶碗、そして青磁鯉耳花生を置いてみました
いかがでしたでしょうか、次回は2階展示室の作品を、何回かに分けてお届けいたしますので、
次回もどうぞお楽しみに