古信楽壺にろうそくが灯る
古信楽壺と灯り
1392年に始まる李氏朝鮮王朝の時代は、日本では室町時代半ばでした。500余り続いた李朝から伝わった文化は大きな影響をもたらしています。李朝陶磁器の初めは粉青沙器と呼ばれる粉引、刷毛目、三島を作った作家小林東五の器が並ぶコーナーに、桃山から江戸初期化と思われる古信楽の壺を置きました。その壺におおらかな山を感じ灯りをともす絵は、岩国に住む画家・宏二郎氏の作です。
文房四宝と灯り
古い棚には文房四宝のしつらえをしましたが、小さなろうそくの灯りが白磁の水滴を飾ります。宏二郎のろうそくの絵が館内に3点あり、作品とともに輝いています。
高麗に続く李朝前半期に盛んに造られた粉青沙器も、16世紀には次第に白磁に変わっていきました。仏教を重んじた高麗から儒教を重んじる国・李朝は、白い色を大切にしたことから起こった変化なのでしょう。李朝白磁の作家・崔在皓(チェ・ジェホ)の作る白い世界には、大壺と酒器、文房四宝などが展示されています。