画伯桑重儀一の絵

桑重儀一展桑重儀一画伯の妹の娘さんが、儀一氏を懐かしんで絵を観に来られました。儀一氏の妹である母親から聞いてきたという愛娘の話には、兄妹のほほえましいお話がありました。仲の良かった兄と妹の様子が目に浮かぶようでした。
五橋文庫の展示と合わせて展示している岩国中央図書館の「初夏の窓」の絵は、第1回帝展に出品した作品です。キャンパスいっぱいに咲く紫陽花の窓辺で針仕事をする女性が描かれていますが、その女性は儀一氏の愛妻の姿だと聞いていると話してくださいました。綺麗で優しい雰囲気は、ポスターにしている「カナリア」の絵の女性にも似ています。女性の来ているワンピースは当時にはとてもおしゃれなデザインではないかと思います。戦前に西洋画を描いていた画家のとらえたモダンな世界の中に、カナリアを手に乗せている横顔に日本の美意識を感じます。
儀一画伯の妻、蔦代さんを知っているという方は、「初夏の窓」を見て、子供の頃に母親に連れられて近所の銭湯に行ったときご一緒していました、と懐かしんでおられました。
何かしらゆかりのある方たちにとって、今回の展示は懐かしい時代にタイムスリップするようです。お話を聞きながら一緒に当時の岩国を描く楽しいひと時を過ごしています。

カキツバタ

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