秋の夜長に岩国基地で篆刻体験
岩国基地の皆さんが篆刻体験を始めて4年目になりますが、今回はレストランを借り切って集まった奥様達が大盛り上がりでした。名前の頭文字を篆書体の漢字に置き換えて、漢字のイニシャルを作りました。先日の昼間のワークショップと違い、今回は18時半からです。少しリラックスした45人の皆さんは笑顔がいっぱいで、むずかしい!と言いながらも楽しそうに彫りました。
初めに、英語に堪能なチーム独立のメンバーが、なぜ岩国で篆刻をするのかを、日本篆刻の祖である独立性易禅師と錦帯橋の関係から説明しました。そして、各テーブルで彫り方の説明をして、自由に彫ってもらいました。皆さん器用に漢字を彫りあげて、錦帯橋のカードや書のはがき、そして、世界地図の出身国に押して出来の良さをご披露してくれました。
少しでも岩国の文化をお知らせできたこと、また岩国の思い出の一つに印がなったことは、「チーム独立」にとってもうれしい時間でした。
年々増える体験希望者ですが、これからも文化の交流の一役が担える「チーム独立」として活動を続けます。
「チーム独立」は、岩国篆刻会の有志がボランティアで篆刻体験の活動をしながら、岩国の名勝錦帯橋と、そのゆかりの深い独立性易禅師のことをお話ししています。その事務局は錦帯橋のすぐそばにある「五橋文庫美術館」にあり、来年からは篆刻についての常設展示と篆刻体験を予定しています。
この印は「天外一間人」という摹刻印ですが、私にとってはこの活動の原点でもあります。還暦を迎える年になって異国長崎に渡来して後の約20年を、中国明の文化を伝えながら生きた独立禅師に、なぜか魅かれて印を彫り、その楽しさをご紹介することが、いつの間にかライフワークになったのです。 館長