五橋文庫「父の背中を追う狩野永琳展」

楊貴妃の愛した海棠のつぼみ

今日から4年目に入ります五橋文庫のお庭では、朝日をいっぱいに浴びる海棠のつぼみが膨らんでいます。

いよいよ春たけなわの錦帯橋界隈では、お花見の準備も整い、昨夜からぼんぼり提灯が灯り始めました。新型コロナウイルスの終息を待ちわびる毎日、自由な行動を規制されることの辛さを世界中が共有しており、「ああ、神様」と天を仰いで叫びたくなります。

五橋文庫は、今日から始まる「よみがえる絵師 狩野永琳の世界」の展示をただ粛々と準備してまいりました。オープンです!

狩野永琳は大阪府南河内郡太子町、聖徳太子の御廟叡福寺の近くに生まれ、京狩野派狩野永輝氏に師事した絵師です。円熟期に入る69歳で病に倒れた永琳の遺作展ともいえる今回の展示は、絵筆の指導を受けていた末娘の強い思いで、昨春から1年かけて開館にこぎつけたものです。

父から渡された笹のお手本には「徳チャン」とひとことだけ書かれています。一生懸命に練習するがうまく書けない、父の背中が大きく遠い・・

「徳子は徳子の絵を描けばええよ」とひとこと・・・

徳チャンへ

展示しながら、父の絵の前に立つ娘は

「もっと習っておけばよかった・・」とつぶやいた

師匠から弟子へ引き継がれた狩野派の画風は、父から娘に引き継がれる途中だったようですが、父の思いをようやく果たせる思いに溢れた展示になったかと思います。

まだゆったりしている錦帯橋界隈です、温かい日差しと春の眼ざめに美術館巡りをお楽しみください

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です