刷毛目茶碗 in 五橋文庫
刷毛目茶碗「有馬」
刷毛目茶碗と書いて「はけめちゃわん」と読みます。鉄分の多い土は焼成して黒っぽく仕上がります。その黒土の上にゆるくクリーム状にした白土を、ハケで塗りますとこのような茶碗が生まれます。もちろん、ハケに含ませた白土の量やハケの動きによって表情は千差万別、焼物師の腕の見せ所と言えるどころと言えるでしょうか。土の色の違いでデザインされた、素朴だけど大胆な表情を見せる器となって、多くの茶人を魅了してきました。朝鮮半島の土はおおかた鉄分を多く含みます。日本もそうですが、器つくりなど文化芸術のお手本は中国大陸から伝わってきています。中国の白い磁器の器にはある種のあこがれがありました。磁器の粘土が見つからなければ、このような刷毛目や粉引と言った、二色の黒と白の粘土を重ねる技術を生み出していくことになったのだと思われます。
この刷毛目茶碗に緑の茶がたてられたとき、茶人はしばし茶碗の中に引き込まれたのではないでしょうか。そこにはどんな世界が見えるのか、とても興味深く思います
3月11日まで展示中です。ただし、2月15日~17日は臨時休館いたします。 館長