オリジナル酒造り体験(酒文化入門編)

当館の所蔵品は書画篆刻に始まる文房四宝・酒器を中心にした陶磁器も骨董と呼ばれる桃山から現代作家までのコレクションが展示の中心にあります。長年趣味にしてきた篆刻は、岩国の名勝・錦帯橋ゆかりの独立性易禅師が「日本篆刻の祖」という背景もあり、当館のワークショップとして篆刻体験をして頂いています。

そして、酒井酒造美術館・(一財)五橋文庫と屋号をあげた時から、「酒文化」も伝える美術館を目指しています。「五橋文庫」の名前も、「五橋」の酒井酒造㈱5代目が創業したから付いた名前です。一昨年より、酒米を鉢植えで育ててみたり、会社の田んぼを見学したり、古くから使っていたものを展示に加えたり・・としてきましたが、いよいよ酒造り体験の機会を持ちました。

「オリジナル酒造り体験 一段仕込み」は、一日体験でしたが、すっかり「蔵人」になった気分です

私の酒造り体験を記録してみます。

オリジナル酒造り体験 「一段仕込み」2022年7月19日

 

お米に中にあるデンプンは、アミラーゼという酵素を持つ麹(こうじ)を加えると、ブドウ糖という糖分に分解される。そのブドウ糖は酵母菌を加えると発酵してアルコールに変わる。この仕組みを使ってできるのが、「日本酒」である。

酒母は三段仕込みを行う1週間~1カ月前(製法により異なる)に作る。

酒母が出来上がって(酵母が大量に増えて)それをベースにして三段仕込みを行う。

三段仕込みとは

1日目 第1回の米・麹・水を加える(初添)

2日目 一日そのまま置く(踊り)  酵母を増やす

3日目 2回目の米・麹・水を加える(仲添)

4日目 残りの米・麹・水を加える (留添)

以上3回に分けて米・麹・水を加えるのは、酵母が順調に増えることでその発酵能力を落とさず、

アルコールを大量に作る事に繋げる目的を持つ。

一段仕込み

さて、一段仕込みは、酒母に米・麹・水を一度に全て加える方法である。

一日体験に、次のメニューを選び、酒造りにチャレンジ

   米    五橋農纏の日本晴 10㎏(精米歩合70%)

   麹    黄麹 3㎏ (23%)

   水    酒井酒造の錦川の伏流水 18.2ℓ (140%)

  酵母菌   香りタイプ 901号

  アルコール 16%  25日間発酵仕上げ

  1. 洗米 10㎏の米を、仕込み水で3度水を替えて洗う
  2. 浸漬 約3時間
  3. 蒸米 30分
  4. あらかじめ乾燥酵母を湯に溶かしておいたものを使い、酵母を準備しておく
  5. 5~6℃の冷水を準備し、「水麹」をつくる。 そして、雑菌を抑えるために乳酸を入れ、櫂で攪拌する。さらに、準備しておいた酵母を入れ、櫂で良く攪拌し、水麹ができる

6. 放冷 22℃になるまで蒸米を広げて冷やす。なるべく塊ができないようにすることが、次の発酵を順調にする

7. 冷めた蒸米10㎏全部を水麹の中に一度に入れ、櫂で攪拌。

  しばらくすると、表面に「泡」が見え始め、発酵が始まったことが確認できた。

 8.この後の24日間は、片山先生に醗酵の管理をお願いし、7月19日の一日体験は、無事終了

    あとは、お任せコースで仕上がりを待ちます

仕込みが終わり、発酵を待つだけではあるが、この間は片山先生が検査をしながら発酵を見守ってくださる。

酒蔵での蔵人たちが、時間を問わず昼夜桶の中の発酵の様子を見守っていることは日頃から聞いてはいるが、

桶の中は生きているということを目の当たりにした感動の時間であった。

今後の展示に生かしていきたいと思う一日であった。

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