山口県に誇りをもって地酒造り「五橋」

雨が上がったので、田んぼの様子を見に行きました。と言えばいかにも分かったように聞こえますが、まるで素人なのです・・もちろん田植も、稲刈りもしたことがない・・

ご飯として食べるお米と、お酒を造るお米が違うことも、ついこの頃知ったばかりのド素人なのですが、今年は酒米の事が知りたいと思い、酒井酒造の蔵人たち自らが作る田んぼを見て、そのエネルギーを感じてみようとチャレンジです。1か月半くらい前に田植えが終わり、今日はそよ風に揺れる緑一面の絨毯です。

きれいな田んぼです。空気も美味しい!思わずマスクをはずして胸いっぱいに深呼吸・・

ひさしぶり~

山田錦の田んぼ

そこで、もうひとつ、久しぶりになりましたが酒井酒造の大番頭さんに聞きました。

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「山口県の地酒」であることにこだわるからこそ~五橋の原料米は全量山口県産~

1980年代にイタリアで起こったスローフード運動。わが国でも一時期「スローフード」の言葉がメディアを席巻し、一大スローフードブームが起こりました。しかし、時の経過とともにその言葉は廃れ、今はほとんど聞くことはありません。

今さらではありますが、当時流行したスローフードが提唱した三つの柱を見てみましょう。

①そのままでは消えてしまいそうな郷土料理や質の良い酒を守る。
②良質の農産物を提供してくれる生産者を守る。
③子どもを含めた消費者全体に食の教育(食育)を行う。

この3つを見てみると、スローフードの概念は、そう難しいことではありません。当たり前のことを当たり前に行えば、スローフードが実践できそうです。だからあえて口に出して「スローフード」と言わなくなったのかもしれません。とはいえ、これに呼応するかのように「地産地消」の動きが活発化したのを見ると、「スローフード」が「食」への意識を高めるきっかけになったのは間違いないでしょう。

突然ですが、「地酒」という言葉からどんなお酒を連想されるでしょうか。おそらくはその地でしか飲めないお酒、あるいは地方で醸されているお酒。ほとんどの方がこんなイメージをお持ちなのではないでしょうか。しかし、例えば山口県で兵庫県産の酒米を、富士山の湧き水で、南部杜氏(岩手県の杜氏)が醸したお酒があったとしたら、これは山口県の地酒でしょうか。

弊社では「山口県の地酒」であるために、原料米には全量山口県産米を使用しています。山口県には、兵庫県産のものにも劣ることのない品質の「山田錦」、山口県オリジナル酒米の「西都の雫」、伊勢神宮で発見された神の米とも称される「イセヒカリ」など、バラエティに富んだ原料米があります。県産の良質な米、地元錦川の清澄な水、地元出身の杜氏や蔵人たちで、地元に根ざした酒を造る。

良いとこ取りで原料や技術をかき集めるのはどこの蔵でもできること。地酒であることはその個性を主張することなのです。山口県の蔵元にしかできない酒造りが必ずあるはずです。

地元の米から醸される地酒は、地の料理にあうはず。食はその地の風土が育むものなのですから。その地の風土が、その地のフードにつながるのであれば、やはり食の基本は地産地消なのかもしれません。

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そういえば、スローフードのブームがありました。すっかり過去の言葉になってしまいましたが、ファーストフードに対抗するように日本人の生活の見直しをした記憶があります。新型コロナウイルス禍で家にいる時間が多くなったという今、妙に煮物や煮魚におばあちゃんの味が恋しくなるのは何でしょうか・・

もともと酒造りが盛んなところは、よい米が沢山採れる地域にありました。今のように流通網も保存方法も発達していませんでしたので、当たりまえの事だったのでしょう。その地域の米は食べて良し、呑んで良し、というわけです。

美味しいお酒を造る蔵人たちに必要なものは、良い米と良い水。大番頭さんの蔵では伊陸の農家の方たちと作る米と錦川の水で銘酒が生まれています。

初夏の田植え、秋の稲刈り、精米された米は酒の仕込みに入り、年明けて新酒が香る。

酒蔵の一年は6月に始まると聞きましたが、田植えから始まることを意味するのでしょうか。

また時間を見つけて、成長する氷室岳の見える田んぼの山田錦に会いに行きましょう。

氷室岳に見守られる田んぼ

氷室岳は柳井市と岩国市の境にあり、「周防富士」と呼ばれ、平安時代には山伏の修験の霊山として知られているそうです。なんだか田んぼも見守られているような気がします。昔から米どころとして名高かった伊陸にふさわしい山々の姿、その中にある氷室岳です。もう、また深呼吸しにいきたくなった・・

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