東五先生を訪ねて

昨日田布施から来られたU様が、今から16年前に徳山の近鉄松下で行われた展示会で、小林東五先生に会われたことを話してくださいました。U様は昨年秋に五橋文庫に来られ、ひととき器談義をした方です。

「今回は是非見せたいと思って来たよ」と長年愛玩してこられた東五作の井戸徳利と刷毛目の盃、そして、東五先生から届いたお手紙などをご持参いただきました。幸いにも手に取らせていただくことができ、U様が大事に使ってこられた跡を感じました。U様は東五先生と同じお歳の方ですが、20代から器に興味をもたれコレクションが沢山になってしまったと、嬉しそうでした。

「器はもちろんだけど」、と前置きして話されたことは、「この箱書きをとても気に入っている」、額装された手紙は「居間に飾ってみている」でした。確かに日ごろから手紙のやり取りをさせていただいている私にも、一目で東五先生とわかる文字や文面に胸が暖かくなる時間でした。

只今展示中の東五作のコーナーの前で、「東五先生が人間国宝になったら、この手紙をお軸にしようと思っていたよ」と満面の笑み、今回もしばしの器談義を楽しみました。

今回の展示もあとひと月になりましたが、桃山から現代までのたくさんの酒器を見ながら、次はどんなお話を聞かせていただけることか、楽しみな心持ちで、皆様のご来館をお待ちいたしております    館長

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