酒井酒造美術館・(一財)五橋文庫  2021年もよろしく

酒井酒造美術館・五橋文庫

2017年3月19日に開館した五橋文庫は、2021年に開館5年目を迎えます。そこで、この1年間は改めて酒井酒造が作る酒の文化を絡めた所蔵品の展示を企画したいと思います。

そもそも小林東五氏から寄贈された美術品を、箱の中に眠らせないために始まった五橋文庫でした。加えて、明治4年(1872年)創業の酒井酒造㈱の代々の当主が残したものを、5代目自身の所蔵品とともに展示してきました。中でも3代目当主は書や水墨画を学び、漢籍にも通じていたようで、見ごたえのあるものが残されています。

その蔵に残るものを調べているうちに、収集の根底にあるものが何なのかと考えた時、やはりそこには酒造りの文化があるのではないかと思うようになりました。

酒造りの歴史は深く、神に捧げるモノのひとつとして始まりました。自然の計り知れない力のもと、平穏な暮らしを望んだ人々が、天を仰ぎ、神に祈りを捧げて救いを求めてきました。お供えしたものを神と一緒に食べたり、飲んだりする直会がありますが、神と人が一体になるこの儀式は、今も日本各地で行われています。神さまのお神酒を頂き、酔いを覚えた人はおおらかな心地にもなり、自身に神の力が伝わって来たかのような思いにもなります。それはまるで神が乗り移ったかのような気分です。この体感が明日への勇気と活力となっていくのかもしれません。それもお酒の役目のひとつだったのでしょうか。

又、四季折々に行われる祭りにもお酒は欠かせないもので、暮らしの中のいろいろな文化に潤いを加えていったのだと思います。日々の暮らしの中にある酒造りの文化を見つけられたらと思います。

青備前お預け徳利

早速年明けの展示は、備前焼の徳利、花入、擂鉢、壺などを海揚りの古備前も含めて並びます。そして、神の米・イセヒカリを中心に、お米と酒について触れてみたいと思います。

光り輝くイセヒカリ

今年1年は新型コロナウイルスの感染予防に慌てましたが、引き続きしっかりとした感染予防をしながら、所蔵品の展示と、人気のワークショップ・独立禅師の篆刻体験を行ってまいります。

明日から展示替えに入りますので、1月4日までお休みいたします。

1月5日からは、毎週水曜日が休館日、開館時間は9時~17時と変更になります。

「海揚りの備前焼 ~酒が文化をつなぐ~」展で2021年の展示が始まります。

来年の皆様とお目に架かれるのを楽しみにしております

五橋文庫館長

Follow me!

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です