モースが岩国にやってきた

夏休みも終わりました。

猛暑という言葉が当たり前になってしまったこの夏。

子供のころにはこんなに暑くはなかった、地球が暑い星になってしまったでしょうか。私たちの生活様式のもろもろの変化が地球環境を変えてしまったのでしょうか。

考えてしまいますが、どうしたらよいのか・・

まだこんなに暑い日本ではなかった頃、大河ドラマで人気の「西郷どん」の西郷隆盛が戦った西南戦争があった、明治10年のことですが、動物学者のエドワード・シルヴェスター・モース(1838~1925)が岩国に来たことはご存知でしょうか?

明治10年に来日したモースは、東京の大森貝塚を発見したした人ですが、当時の日本の文化にとても興味を持ち、フェノロサやドクタービゲローと共に広島に来ました。そして、モースは広島から岩国にも足を延ばしてきました。日本の陶磁器などもお好きだったようで、岩国では多く骨董商が列をなしたという話が残っています。モースが買った陶磁器の一つに、ただ今五橋文庫に展示中の吉向焼があります。吉向焼は岩国藩の御用窯の多田焼を作るために、岩国藩から招かれ、約2年間多田焼を一緒に作りました。その後約2年、同じ岩国の窯で吉向焼を作っていきました。

モースは日本の陶磁器を沢山買いつけ、アメリカに帰ってからボストン美術館に売却したそうです。岩国で買ったものかどうかはわかりませんが、吉向焼は10数点ボストン美術館の所蔵品となっているそうです。多くのアメリカの人たちにも日本の文化一つとして、楽しんでもらっていることでしょう。

岩国の御用窯多田焼は献上品でしたから、岩国に残った数は少ないこともありますので、モースの眼に触れたかどうかわかりませんが、もしかしたら・・と想像は膨らみます。江戸末期から明治に作られた岩国の錦屛山焼などは見てもらえたかもしれません。一度ボストン美術館に岩国のやきものが所蔵されていないか、調べてみたいと思っています。問い合わせるのには、少し英語力をつけないといけませんので、時間がかかりそうですが。    館長

共有:

Follow me!

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です